今回はブレーキフルードの交換方法についてまとめます。
油圧ブレーキの仕組み
バイクのブレーキは回路中のブレーキフルードに圧力をかけることでキャリパーピストンを押し出し、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し当てることで制動力を発生させています。
ブレーキフルードには吸湿性があり水分を含むとブレーキフルードの沸点が下がります。すると強いブレーキをかけ続けた時にフルードが沸騰しやすくなり、回路でのエア発生が増加してしまいます。こうなると、圧力がエアをつぶすのに使われてしまいパッドを押し込む力が弱くなりブレーキの効きが悪くなってしまいます。
ブレーキフルード交換に必要なもの
部品 | 個数 |
---|---|
ブレーキフルード DOT4 | 約200ml |
ビニールチューブ(内径Φ5~6mm) | 約50cm |
メガネレンチ8mm | 1個 |
パーツクリーナー | 1缶 |
空のペットボトル | 1本 |
フルード交換方法(フロント)
まずはフロントブレーキ側の交換方法です。ハンドルは左いっぱいにきり、タンクの液面が平らになるようにします。ブレーキフルードは塗装面に付着すると塗装を溶かすおそれがあるのでウェスで養生しておきます。
ネジを外してマスタシリンダタンクのフタをはずします。外すと、カバーとダイヤフラムが見えます。
カバーおよびダイヤフラムを外すとフルードの液面が見えます。劣化してフルードの色が茶褐色になっていました。
続いてキャリパー側の準備をします。ブリーダースクリューに8mmのメガネレンチをかけて、ドレン用のホースを取り付けておきます。
作業手順は以下の通りです。
①ブレーキレバーを握る。
②レバーを握りこんだまま、ブリーダースクリューを緩める。
→ブレーキフルードが排出され、レバーの抗力がスカっと抜ける。
③ブリーダーを締めこむ。
これを繰り返していきます。
フルードが排出されていくとタンクの液面が下図のように下がっていきます。
注意点はタンクを空にしないことです。タンク内のフルードを空にしてしまうと、フルード取り込み口からエアが経路内に入ってしまいます。エアが入ってしまった場合、キャリパー側まで圧送しないと出てこないため作業に余計な時間がかかってしまいます。
このためタンクが空にならないよう新しいフルードをタンクに注入しながら作業して下さい。
このようにタンクのフルード液面に注意しながら①~③を繰り返します。
3回ほど繰り返せばフルードはすべて入れ替わります。最後にタンクのフタを取り付けて完了です。
終わりにタンクとキャリパーのブリーダー周りをパーツクリーナーで掃除して垂れたフルードを除去しておいてください。
フルード交換方法(リヤ)
続いて、リヤブレーキ側です。リヤのリザーブタンクはここにあります。
リザーバータンクのフタをあけます。こちらはかなり変色していました!
フロントでやった時と同様にメガネレンチとドレンホースを設置します。
フロントと同様に①~③を繰り返します。最終的にこのような状態になりました。フルードの色が透明になりました。
排出したフルードがこちらになります。新液と比較してだいぶ色がついていました。
まとめ
今回はブレーキフルードの交換方法についてまとめました。
フルードは時間がたつと経年劣化が進むので、定期的に交換してみて下さい。