~この記事はこんな人にオススメ~

・寒い時期や雨の日だとエンジンの調子が悪くなって困っている人

背景

11月も後半になり寒い日が増えてきましたね。
今回は寒い時期になるとエンジンの調子が悪くなるVT250 SPADAの原因について調べてみました。
結論から述べると、ガソリン供給するための燃料コック内部のダイヤフラム(ガソリンタンク直下についてます)が劣化していたのが原因でした。
交換手順をまとめたので以下のような症状が出る人は参考にしてみて下さい。

具体的な症状

・冬の早朝など気温が低いときに限り、信号待ちなどエンジンの回転数が下がる時にエンジンがとまってしまう。
・ガソリンの量が減ってくると症状が顕著になる。
・アクセルをガバっと開けた時、一瞬ゴボッと息切れし遅れてガツンと加速する。
私のバイクでは上記のような症状がでていました。

燃料周りのチェック

症状から予測するとガソリン供給周りに不具合がありそうな感じがします。まずはガソリンタンクを外してみてガソリン供給ラインに詰まり等がないか確認していきます。
まずはガソリンタンクを外します。
タンクのコックをオフにします。

ガソリンコックをオフ

続いてシートを固定しているボルトを外します。(12mmのソケットで外せます)

ガソリンタンクボルト

次にホースを外します。以下の燃料供給チューブとバキュームチューブを外します。燃料供給チューブはキャブレター側、バキュームチューブはタンク側が外しやすいです。

チューブ

ホースクリップはラジオペンチでつまんでずらしました。チューブは固着しているの無理にひっぱらずに以下のようにラジオペンチをつかってホース端部を押すと外すことでできます。

ラジオペンチを使ったホースの外し方

タンクはフロント側にひっかかるところがあるので、もちあげずに手前にひっぱるとスルっと外せます。※いきなりもちあげるとひっかかり外せません。

タンクの外し方

タンクを外したらビニールシートの上にひっくり返しておきます。この時給油口からガソリンが少しもれます。ただビニールシートのようなタンクと密着するものの上に置けば、ガソリン漏れはとまるので作業を続行します。(苦笑)※くれぐれも火気厳禁でお願いします。

ガソリンタンクをひっくり返しておく

2か所のボルトを外すとガソリンコックを外すことができます。

ガソリンコックの取り外し

以下がガソリンコックです。長い筒がON経路(通常時に使用する経路)、短い筒がリザーブ経路です。
ON経路でガソリンが吸えなくなるとエンジンが止まりそうになるのですかさずリザーブに切り替えてやります。これにて「ガソリンが少なくなってきてるから吸油してね」とお知らせする機能を担っています。

ガソリンコックの内部

筒の表面は細かいフィルター上になっておりゴミがエンジン(キャブレター)に流れ込まないようになっています。当初はこのフィルターにゴミがつまっているのかなと思いましたが、とても綺麗な状況でした。続いてこちらのバキュームバルブを外します。プラスネジ4本でとまっています。

バキュームバルブ

外すと以下のようになっています。コックがオフの時にはガソリン経路がボールバルブでふさがれるためガソリンが供給されなくなる仕組みです。また、ONとリザーブでガソリン経路が切り替わるようになっています。

ガソリン経路

取り外した側の部品は以下のようになっています。

バキュームバルブ

エンジンがかかっていない時はバネの力でダイヤフラムが押し出されガソリン供給経路を塞ぎ、エンジンがかかると負圧でダイヤフラムがへっこみガソリン供給される仕組みになっています。
ダイヤフラムは傷んでるようにはみえませんでしたが、ゴム部品は経年変化で硬化して動きが渋くなるので部品交換しました。

部品名部番個数
カバーセット、コック16953-ME5-0251
部品

新旧部品を並べてみました。やはり、新品の方が動きがスムーズです。

新旧ダイヤフラム

組付けた様子がこちらです。バキュームバルブだけピカピカになりました笑
後は組み戻して完了です。
※タンクを車体につけるとき、タンクシールラバーを必ず取り付けて下さい。これをつけないと吸気口に水が入りエンジンが不調になります。

バキュームバルブとタンクシールラバー

その後

アイドリングでエンジンがとまったりアクセルをガバっと開けた時の息切れが無くなりました。ダイヤフラムの動きがスムーズになったことでガソリン供給が上手くいくようになったのだと思います。
同じような症状でエンジン不調の方はぜひ参考にしてみて下さい。